なんか話したかったりすること

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K7Sロスモワの話

大人気国民的アニメKが、7月から毎月一本新作劇場アニメーションを公開するという頭のおかしいことをしています。

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ちなみに12月まで続きます。ちょうど今月で折り返しです。そして先日の10月7日に、私にとっての墓場であるLost Small World(通称ロスモワ)が公開されました。初日だけで3回観ました。今まで観た映画で一番多く劇場に行ったのがキンプリと弱ペダとゼロの執行人の3回だったのですが、ロスモワは1日で記録に達してしまったことになります。ちなみにあと最低4回は行く予定です。ということで今日はロスモワの話をします。

 

そもそも私がKにハマったのは2016年の4月でした。推し俳優が舞台に出演していることは前々から知っていて、「原作は知らんけどKのうえちゃんビジュアルが超好み」などと思っておりました。しかし、某雑誌のインタビューで、なんと鈴木のひろきくんとバディ役だったことを知ります。まじかよそんなんめっちゃ見たい。そう思った私は、とりあえずツイッターでぽつりと呟きます。

 そしてこういうのを決して逃さないのがKクラです。Kになった今ならよくわかる(何人か沼にぶちこんだので…)。

 これがすべてのはじまりでした。フォロワーさんに丁寧な手ほどきを受け、私は見事にKになりました。2日でアニメ全部見たので素質があったのだと思います。まんまと伏見猿比古に心を囚われた私は、アドバイスの元関連書籍一発目に件のロスモワを選びました。それがまた性癖ドンピシャだったわけです。孤立していた少年たちが出会い、惹かれ、唯一無二になり、ふたりだけの箱庭を築く。しかし少年たちは大人に近づき、美しかったはずの箱庭はいつしか崩壊の時を迎える。読みながらだんだん頭抱えていく当時のツイッターが今見ると微笑ましいです。さらに

 こんな運命まで体感します。これは本当にすごいと思いまして、後にKFC(Kの公式ファンクラブ)の「あなたがKに出会ったのはいつですか?」という質問に対する回答として送ったら掲載されました。

そんなこんなで当時から私の中に大きな爪痕を残しているロストスモールワールド、このたび劇場アニメ化されました!わーいわーい!ロスモワはありがたいことに原作小説、コミカライズ、舞台化と様々な展開がされているのですが、やはりKの原点はアニメーションなので、巡り巡って帰ってきたような気持ちになっています。端的に言うとめちゃめちゃうれしいのです。初日に3回観るくらいには(言い訳として、舞台挨拶付き上映が二部とも当たったからっていうのを書いときます)。

Kの人もKでない人もオタクも非オタクも大人も子供も女も男も人間として生まれたすべてのひとに、いや猫にも見てほしい体感してほしいロスモワ。なるべくネタバレしないように話すので、無駄に長い前置きを乗り越えてくださったあなたはぜひよろしくお願いします。

 

 

さて、前述したとおりロスモワは「箱庭の形成と崩壊」の物語です。タイトルからわかりますよね。スモールワールドがロストするお話です。主な登場人物は中学生の男の子ふたり。八田美咲くんと伏見猿比古くんです。八田くんはちょっと頭が悪くて背が低いけど明朗快活な世話焼き気質、伏見くんは天才的な頭脳を持つもその生い立ちゆえに陰気で人付き合いの苦手な偏食眼鏡。ここまでで食いついたオタクいますよね?素質があるので今すぐ映画館に行ってください。

一見正反対に思える八田くんと伏見くんですが、ふたりはある共通した思いを抱えていました。今生きている現実がなんだかつまらない。こんな世界ぶっこわしてやりたい。でも自分にはそんな大層な力はない。「明日隕石とか降ってきて、世界が滅亡すればいいのに」。

そんな鬱屈した感情を持て余していたふたりは出会い、自分には持っていないものを持っている相手にだんだんと惹かれていきます。八田くんは伏見くんの頭の良さに「すげー!」と何度も感嘆し、伏見くんは八田くんの屈託ない笑顔に心を溶かされていくのです。特に伏見くんですが、両親から愛情を向けられたことがなかったので、八田くんの他意のない優しさがドストレートに届いたのでしょう。ふたりでいれば何でも楽しくて、ふたりでいれば何だってできるような気がして、それこそ「お前とだったら世界だって乗っ取れる」と思い始めたのです、中学生の二人は。

しかしそんなのは幻想です。いくら頭がよくたってまだまだ子供。とある事件を契機に、ふたりは世界が思っていたよりずっと広かったことを知ります。そして、その広い世界へ飛び込んでいく決意をします。ふたりぼっちだった箱庭は崩壊を始めたわけです。

アニメシリーズを見ていた方は知っていると思いますが、この後二人は訣別します。それは誰が悪いわけでもなく、ふたりがふたりを辞めた時点で、いえ、ふたりがふたりになった時からわかっていた結末です。人間は二人では生きられません。どうしたって三人目は必要ですし、一人で立たなくちゃいけないこともあります。二人だけで完結する世界なんてのは儚く、脆く、崩れ去ってしまいます。それが、子供が大人になるってことなのかなあと思います。

ざっくりとロスモワはこんなお話です。Kは異能力バトルものなので結構用語やキャラクターがわかりづらかったりするのですが、ロスモワは八田くんと伏見くんが異能の世界に足を踏み入れていくお話なので、二人と一緒にKになることができます。なんてお得なんでしょう。Kじゃない人にも見てほしいというのはそういう意味です。Kをここから始めましょう。

 

あとはオタク向けにざっくりした映画ロスモワのセールスポイント置いときます。

・作画がひたすらに綺麗

・一時間たっぷり宮野真守福山潤(しかも中学生)の声が聴ける

・宮野さんに至っては4歳くらいの声も演じてらっしゃる

・CVみきしんのサイコパスがいる

・CV小倉唯のロリもいる

・主題歌がangelaさん

・少年たちがとことんいちゃつく

・オタク大好きな重い過去とか見れる

・オタク大好きな相棒同士のあれこれとか見れる

・冒頭謎にアイドルのライブが見れる

とかですかね!オタクは絶対ロスモワ好きです。賭けてもいい。映画のあとには必ず原作を読むことをおすすめします。ロスモワは文学だと思えます。活字苦手な方は漫画でも…こちらは最終話にアニメ二期後の二人が追加されています。2.5が大丈夫なら舞台もぜひ!これにもアイドル出てます。ぶっちゃけ全媒体見てくださいと言いたいです。

 

映画ロスモワの魅力は、箱庭がとことん美しいことだと個人的に思っています。美しければ美しいほど、ロストした時の喪失感が大きくなるわけで。映画の構成には賛否両論あると思いますが、ロストの始まりを示してくれたので、私はこれが正解だったんだと思います。あと正直伏見くんめちゃめちゃに可愛かったので!それだけで!じゅうぶん!!おたくちょろい!!

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