青春の話

(この記事は「私はこう感じた」という主観的な話です。作品を貶める意図は全くないことをご了承ください)

(原作2年目インターハイの勝敗に関するネタバレを含みます)

(当然公演中の舞台のネタバレも含みます)

 

私の青春は「ペダステ」と書きます。

先日、舞台弱虫ペダル 新インターハイ篇 FINAL 〜POWER OF BIKE〜を観劇してきました。私にとって5年目のペダステ、9作目のペダステ、そして最後のペダステでした。

 

私が弱虫ペダルに出会ったのは2014年の秋頃のことで、仲良しの後輩と友達からいっぺんにおすすめされたことがきっかけでした。半ば押し付けられるように原作漫画を借り、読んで、泣いて、どっぷりハマって、2015年元旦に貰ったお年玉で全巻購入して(箱学の箱に入ってるやつです)、アニメも一気見しました。ちょうど2期を放送中で、追いついた回が鳴子劇場で、またボロ泣きしたのを覚えています。

舞台版に手を出したのは後輩の影響でした。当時の私は2.5次元なんていう世界を全く知らなくて、せいぜいダンステの初演を観に行ったくらいでした。ペダステにも正直あまり興味はなくて、ただ私はこの後輩ちゃんのことが大好きで甘々だったので、父に頼んでチケットを取ってもらい、ちょうど旧日本青年館で上演していたThe WINNERを観に行きました。そして、頭を殴られたかのような衝撃を受けて帰ってきました。

本当にすごかったんです。ダイジェスト動画を見て「ホッチキスの針じゃんwww」とか言っていた自分を殴りたくなりました。本物のレースがそこにあって、全員が必死にゴールを目指していて、そこに嘘偽りはひとつもなくて。お芝居を越えた何かがそこで起こっていました。ライビュにも行って、カーテンコールでキャストさんたちの涙ぐむ姿にもらい泣きして、黒田雪成にゼッケンをくれてありがとうってまた泣きました。それが私とペダステの始まりです。

 

あれから5年間。ペダステは私にたくさんの宝物をくれました。

まず、今の大学に入ったきっかけのひとつがペダステです。舞台芸術を真剣に勉強したいと思って、実技だけでなく座学もある学部を選びました。私はAO入試だったのですが、一次試験の作文ではペダステについて書きました。在学中も何度か2.5次元舞台を題材にレポートを書いていたので、ペダステがなければ今の私はないです。

また、今は距離を置いてしまったので胸を張って推しとは言えないのですが、実在する人間で初めて応援したい、好きだと思えるひとに出会わせてくれたのもペダステでした。それまでは基本的に二次元のおたくだったので、同じ世界に生きているひとを追いかける楽しさを教えてくれました。

もちろん幸せなことばかりではなくて、例えばキャスト変更にかなり落ち込んだりもしました。特に推してた彼の時はひどかった。でも、例えキャストが変わってもペダステの魂は随所に受け継がれていて、「託して、繋げて、全力で走る」という原作の大きなテーマのひとつを体現しているのがペダステなんだということがわかったので、今では一番キャス変の気にならないシリーズになりました。

 

メインジャンルを移してからも弱虫ペダルのことはずっと好きで、毎週チャンピオンを読んでは一喜一憂していました。私は2年目の箱根学園チームが大大大好きで、主人公からすると敵であるとわかっていながらも、インターハイで絶対に勝ってほしい、優勝してほしい、栄光の15cmへ上ってほしいと強く願っていました。さらに推しキャラは東堂尽八・黒田雪成・真波山岳のクライマートリオだったので、ふたりの想いを一身に受けて走る真波にどうしてもてっぺんを取ってほしいと、そればかり考えていました。

その思いが、願いが絶望に変わったのが、去年の春でした。

原作で、真波が、負けました。

決着がつく回は朝まで待てなくて、日付が変わった瞬間電子版を購入しました。文明の利器に感謝。そして読んで、静かに閉じて、泣きました。当時のふせったーの荒れ方が私の心の傷の深さを物語っています。

どうして勝てなかったんだろうという気持ちがぐるぐるして、とにかくずっと落ち込んでいました。真波に負ける要素は何もなかったはずなんです。メタ的なことを考えても、主人公にとって最後のインターハイである来年敵校の箱学は勝てないだろうから、真波が勝てる場面はここだけだったんです。

無理だな、と思いました。真波の勝てないこの展開を私はどうしても受け入れられない、と思いました。大好きだったはずなのに、もう大好きでいられない。嫌いになりたくなんかないけど、どうしたって真波が勝てない世界は嫌いだ。メンタルがだいぶドン底でした。

でもその2週間後くらいにペダステの公演があって、制限解除です、私はそこで少しだけ魂を救われました。真波の勝てない世界は嫌いでも、ペダステのことは大好きなままだったんです。何があってもペダステは私が好きなペダステのまま。本物の涙と汗の飛び散る熱くて暑い夏のレース。ペダステは最高なんだと改めて思わせてくれました。

 

そして今作、POWER OF BIKEが決まって、私はこの公演を弱虫ペダルとの卒業式にすることを決めました。負けてから原作が読めなくなったし、話も聞きたくなくなったし、あんスタにいる東堂さんや真波くんにも会えなくなりました。でもやっぱり好きだった思い出があるから、離れるにしてもこんな消極的な離れ方をしたくなくて、最後は弱虫ペダルの中でもいっとう好きなペダステで終わりたくて。ステの真波が負けるところを見るのは想像しただけでつらかったけれど、初日の初回公演のチケットを取りました。

ペダステはカーテンコールでの立ち位置が大体決まっていて、私の愛する箱学はいつも下手に並ぶんです(箱学メインの作品はまた別です)。そして私がペダステに行く時は必ずと言っていいほど下手側の席が当たりました。今回も例に漏れず、しかも席番は推しである黒田雪成くんのゼッケン番号と同じ、12番。運命だと思いました。

 

前日からめちゃくちゃ緊張していたし、当日は気を抜いたら泣く!という状態で、ずっとアームリフレクターを握りしめていました。

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総北新世代の時に買ったこの子です。確かこの直後に新デザインのが出たり、制限解除からはLEDシリコンバンドに変わったりしたんですが、私はずっとこの旧バージョンと共にヒメヒメ及びヒメくるを踊ってきました。最後まで一緒にやろうねと決めました。

劇場に入って、物販を覗くことすらできずに席に座って、客席で流れていた「Eternal Road」という曲を聴いて泣きました。早い。隣のひとは普通に世間話してたのに。でも初めてのペダステであるWINNERで歌われた歌で、すごく思い入れのある曲だったんです。いつもと同じ舞台セット、大きなスロープと背景の歯車と天井から吊るされた自転車を見るともっと泣くので、ずっと下か上を見ながら開演を待っていました。恒例のヒメヒメが流れ始めた頃にはもう限界で、ついに涙がボロボロこぼれ始めて、暗転と共にボロボロ泣きながら拍手をしてパズルライダーの皆さんを迎えました。

まぁ出女装のおかげでちょっと笑えたんですけど。あとはもう、ずーっと泣いていました。

基本的にペダステは休憩なしで3時間ほどぶっ続けの舞台なんですが、今回初めて真ん中に休憩があって、私はそこで頭痛薬を飲むことができました。もともと照明とか大きな音に弱くて観劇時いつも頭が痛くなるんですが、泣いてたのでさらに悪化してたんです。

前半で涙が枯れたのか後半始まってからは意外と目が乾いていて、まぁちょっと涙ぐんだりはしましたが、このまま落ち着いて終われるかな、などと思ったりもしました。無理でしたが。原作が非常に苦しかった真波が負けるための戦いが始まった途端、滝のように涙が出てきたので。

ペダステの好きなところに「過去作の演出をオマージュする」点があります。昔の公演を思い出して、繋がっているんだと実感できるからです。今作も例に漏れずいろんなところで「見たことある」演出が組み込まれていて、弱虫ペダルとペダステを愛した5年間が走馬灯のように蘇って、息ができなくなるほど泣いてしまいました。声は抑えていましたがうるさかったろうなと思います。近くの席にいた方々には本当に申し訳なかったです。

必死に走った真波は、やっぱり原作通り負けました。けれど私は、その負けをすんなり――とは言わずとも、受け入れることができました。

真波は飛べたんです。

弱虫ペダルをかじったことがある方はご存知かと思うんですが、真波山岳という少年は坂を登る時羽根を出すという描写があります。飛ぶように登るのが真波山岳です。私の大好きな黒田雪成くんはそんな真波山岳くんを最後の勝負に送り出す時、「あとは大空に向かって羽ばたくだけだ」「飛べよ!!真波山岳!!」と言います。余談ですが黒田くんが真波くんに言う「飛べ」が私はめちゃくちゃめちゃくちゃ好きで、まぁ理由を話し始めると長くなるので割愛します。余談ついでに真波くんのあだ名が「天空の羽根王子(スカイプリンス)」ということだけお伝えしておきます。

真波が負けた時、私は「結局また真波は飛べなかったんだ」と思いました。1年目のインターハイで負けてぼこぼこになった真波ですが、先輩や仲間の愛を受け、相当の努力をし、また羽ばたけるようになったはずだったんです。大空へ1番最初に届くはずだったんです。私はそう信じていたからこそ、結果がショックだった。

ペダステでの真波の羽根は、別のキャストさん二人が真波の両脇で白い羽をふっと吹くことで表現されます。その別のキャストさんをエンジェルライダーと呼びます。今回の最終ゴールでもその演出はあって、エンジェルライダーを務めたのは真波の尊敬する先輩である東堂さんと、箱学の主将である泉田くんでした。そのシーンを見た時、私は、真波が飛んだ、と思いました。真波は飛べたんです。ちゃんと飛べた。黒田くんに背中を押され、東堂さんと泉田くんにアシストされて、真波はちゃんと飛んで、飛んだ末に、負けたんです。そう確信して、私はやっと楽になれました。

全部出しきったうえで負けた。それは箱学も、真波も、私も同じでした。舞台を観ながら、涙も汗も全部出しきりました。そして負けました。負けたけどなんだか清々しくて、やっと終われたなと思いました。

 

もちろんまだ悔しいです。後悔はないですが悔しいです。悲しいです。箱学が、真波が勝つべきだったって思います。

でも私にとっては箱根学園が1番です。1番強かったし、1番かっこよかったし、1番のチームでした。どんな結果になっても私の1番が箱根学園だということは譲りません。永遠に大好きな6人です。

 

弱虫ペダルは僕にとって青春でした」というのは、私の初めてのペダステ、The WINNERの大千秋楽で、推していた俳優さんが言った言葉です。

私にとっての青春も弱虫ペダルでした。最近よくあんさんぶるスターズに人生捧げると言っていますが、弱虫ペダルには青春を捧げました。特にペダステは、いつでも青春に戻らせてくれて、おかえりって言ったらただいまって言ってくれるような存在で、本当に、大好きでした。そんな青春にさよならしてきました。

今回のペダステを最後に、私は弱虫ペダルから降ります。でもそれは決してネガティブな気持ちだけではなく、幸せだった記憶と大切な思い出を抱いて降りるのです。これからもずっとペダステが大好きです。箱根学園が大好きです。弱虫ペダルが、たぶん、大好きです。

……とか言いつつ原作で箱学追い出しファンライドやる時はちょっと見にきちゃうかもしれませんが、それはまぁ卒業後に母校に遊びに来るみたいな感覚なので、許していただければ。

 

青春をありがとうございました。最後まで怪我なく走りきれますよう。