なんか話したかったりすること

したい話だけをする

モリミュの話

わたしが憂国のモリアーティと出会ったのはコロナ始まってすぐくらいのステの無料配信で、オタクは初めてそのジャンルに触れた媒体を親だと思うようなところがあるので、どちらかというとわたしはモリステのオタクです。馴染みの役者が多いし、演出もかっこいいし、なにより荒牧ウィリアムの顔が好き。好きったら好き。

で、ステを見ておもしろ!と思ったのでその日のうちに原作を一気読みして、アニメも見て、すっかりハマって、できあがったのはウィリアム推し兼ルイスのモンペ兼兄様に頭を抱え続ける立派な三兄弟のオタクでした。

ミュージカルを見たのは一番最後。日テレプラスかなにかで放送してたのを録画して見て、その時は正直ステが好きなのもあって「ふーん」という感じでした。元々2.5ミュに苦手意識があったのもあるかも。でもあんステなどで馴染み深いいっけ~が大好きなルイスを演じていて、それはとっても良かったし、シャーロックがあんまりにもご本人だったし、みんなお歌が上手ですごいなあとは思いました。ただ推しのウィリアムがちょっと解釈ちがって、あとは荒牧ウィリアムの顔が好きすぎて……(業)

でも世間で大絶賛されてることはあるんだろうな。と思って、Op.3のチケットは取りました。ちょうどステ2に行った次の週だったと思う。先に見たステ2がめちゃくちゃ好きだったし、夏のステラボール嫌いだし(私怨)、正直モチベーションは低くて、どんなもんかなって気持ちで行きました。

そしたら生で見るモリミュ、すごく良くて。やっぱり音の圧が違うんですよね。お歌で語る饒舌なウィリアムにはやっぱり慣れなかったけど、ルイスもアルバートもすごく良くて、特にOp.3では兄様にぶん殴られてたみたいです。ここでわたしは2.5ミュへの苦手意識を少し払しょくしました。

Op.3が楽しかったのでもちろんOp.4も行って、今度は銀劇だったのでさらに音楽を一身に浴びて、ものすごく興奮したのを覚えています。やっぱり兄と弟が良かった。当時原作で三兄弟がようやく再会した…くらいだったので、ルイスの願いやアルバートの後悔へのアンサーを知っていて。苦しく切ない気持ちになりました。

 

ここまできたらわたしもすっかりモリミュのオタク。当然クライマックスになるOp.5『最後の事件』のチケットを取って、先週、観劇してきました。

 

===以下ネタバレを含みます===

 

すっっっごい良かった…………

Op.4の時も感じていたのですが、舞台としての完成度がおそろしく高くて、モリミュ。2.5特有のある種の「軽さ」がない、重厚な世界は、同じ原作のモリステにはない独特のものだなと思います。

見た目が華やかじゃないからかもしれない。モリミュにピンクの髪のひとはいないし、派手なアクションやプロジェクションマッピングや特殊効果がないので。音響もピアノとヴァイオリンのみ、でもそこにロンドンが作れるっていう、挑戦心みたいなものも感じました。これはOp.1を現地で見てたらより一層感じてたのかもですね。括りとしてはペダステに近い。あれはあれで別格ですけど。

ちょっと話が逸れるのですがわたしは舞台芸術の「足りない」ところがすごく好きで。映像作品と違って舞台は基本的に一枚の板の上という同じ空間で世界を描かなくてはならないから、どうしたって視覚的に見せるには限界があるんですよ。それを舞台装置や演出や演技をもって底上げし、最終的には観客の想像力も借りて、そこにいる全員でその世界を生み出す。それってほんとうにその場にその時にいないとできないことで、ものすごく贅沢な体験だと思うんですよね。役者側は人間だから毎日全く同じ演技なんてできないし、観客も毎日同じ顔触れではない。その日にしか生まれない物語が必ずあるから、わたしはなるべく現地で観劇したいし、好きな作品はなるべくいっぱい足を運びたいなと思うのです。

で、モリミュはその舞台にしかない魅力を引き出すのがすごく上手で、観劇している2時間半、わたしは完全にロンドン市民でした。椅子に背をぴったりつけつつも心が前のめりになって、完璧に舞台に没頭していました。それって結構、すごいことなんですよね。自分が舞台に立つ側でもあるからこそ身に染みてわかっています。

モリミュに関するインタビューとか、円盤のバクステとかそういうのを一切見ていないので憶測ですが、モリミュは全員が「この形が完成形」っていう確固たる共通認識を持っているのかなってぼんやりと思いました。細かいキャラクターの解釈は演者に委ねられているかもですが、物語における大事な核は全員一致したものを持っていて、Op.5の場合はそれが「ウィリアム」だったのが特に一体感を感じた理由かもしれません。

ウィリアム以外の全員がウィリアムを想い、各々の形で大事にして、すべての願いを背負ったシャーロックもまた、ウィリアムに対する愛を持って駆けていく。

これは原作最後の事件から一貫している部分ですが、ミュはこの描き方がすごく良かった。歌で心情を語らせることでどうしてみんなウィリアムのことが好きなのかわかるし、ウィリアムの死にたい願いもまた痛いほど感じてしまうから、クライマックスの橋の場面はもう、感情が忙しくて…!原作で結末を知っているはずなのにどうなるんだろうってハラハラしました。

わたしはどうしてもルイスに想いを重ねてしまうので、Op.4の「兄さんどうかいなくならないで」をずっと噛みしめて見ていました。最後のるいしゅかっこよくておたくはしんじゃった。早く再会できるといいね。続編なさそうだけど。

 

オタクの戯言はさておき、モリミュほんとうに素晴らしかったです。毎公演スタオベなのも頷けて、2.5次元舞台が目指し到達するひとつの姿って気がしました。いやあよいものを見た…!

そんなモリミュ、明日で大千秋楽ですが、どうやら配信があるみたいです。

www.dmm.com

最近すっかり顔なじみになったDMMTV。

前述した理由で生観劇に勝るものはないと思うのですが、それはそれとして素晴らしい舞台なので、ぜひ。

 

それはそれとしてステの続編もやってくれませんかね~!!??ずっと待ってるので……!!!